
01 インプラントについて
「インプラント治療」は歯の失われた部位の顎の骨の中に、人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療方法です。


丁寧なカウンセリングと治療計画で安心できる治療を
当院ではインプラント治療を勧めるにあたって常に正確で最新の情報をもとに、1人1人に対して適応症と判断したうえで、さまざまな治療法の中の1つの選択肢として十分カウンセリングを行います。その結果をみて治療計画を立案。これまでのインプラント治療経験を活かし、患者様に最適なインプラント治療をご提案いたします。
インプラントQ&A
「インプラント治療」は歯の失われた部位の顎の骨の中に、人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療方法です。
- インプラント手術は痛いですか?
- 一般的には親知らずを抜く程度と説明しますが、そもそも親知らずを抜くのは痛いというのが世間の噂になっていますから誤解しがちです。当院では術前に2回に分けて局所麻酔をしっかりかけますので、術中に痛みを感じる事はほとんどありません。患者様の中には痛み止めを服用しなかった方も多数いらっしゃいます。
- 手術時間はどれくらいですか?
- 目安として、1本20分と考えてください。これ以上かかるのは単純な埋入ではないケースで、その場合事前に説明があります。また、2本3本と増えても、植立する手順に沿って同時に行いますのでさほど時間は増えません。当院では患者さんの入室から術後の退室まで準備・説明・術後レントゲンの解説までで約1時間から1時間半を確保しています。
- 費用はどれくらいで、何が含まれますか?
- 1本20万円です。これには、手術費用、インプラント本体、レントゲン、お薬代などすべてが含まれており、わかりやすい体系になっています。
※上部構造体(最後に被せるもの)は数種類あり別料金です。 - 手術からどれくらいで歯が入りますか?
- 順調なら7週間です。その間毎週チェックに来ていただき、状況に応じて判断します。毎週チェックポイントが異なりますので、自分で大丈夫そうだと判断せずきちんと指示通り通院してください。
- 保険適用はありますか?
- 残念ながら今のところ保険適用はありません。ただし、確定申告の際「医療費控除」を受けることができるので、税金が返ってきます。詳しくはスタッフにお尋ねください。
- インプラントは一生持ちますか?
- 今のところ長期観察症例数の報告自体が少ないので断言はできませんが、当院で採用しているAQBインプラントでは20年経過後でも順調な症例が多数報告されています。
- 手術は何回あるのですか?
- ほとんどが1ピースタイプを使いますので、手術は1回です。
これにより患者様と術者の双方の負担が軽くなり、手術費用も安く抑えられるのです。
インプラントの費用
インプラント治療は保険が利かず、全額自費負担となります。
02 予防につながるインプラント
インプラントは、ブリッジや義歯等に比べると、周囲の歯に負担をかけることなく、その歯1本で完結できる治療です。歯を失ってしまった時、機能回復の治療を行うために、周囲の歯に負担がかかり、それにより周囲の歯も失うことになってしまっては本末転倒です。例えばブリッジでは、失った歯の機能を開腹するために周囲の健康な歯を削る必要があり、そこからむし歯になってしまうこともあります。そういったトラブルの心配がないインプラント治療は、「予防」につながる治療方法であるといえます。

※インプラント治療は自由診療となりますので保険診療外となり全額自己負担となります。
インプラント治療が様々な
“予防”につながる理由とは?
- 歯1本で治療が完結し 周囲に負担をかけません
- 歯を失った時の治療の中でも、インプラントは周囲の歯に負担をかけずにおこなえる治療なので、周囲の歯がむし歯になってしまうリスクを抑えることができます。ブリッジなどでは、健康な歯も削る必要があるため、本来健康であったはずの歯の寿命まで短くしてしまうことがあります。
- 「しっかり噛める」から認知症予防にも
- 「しっかり噛める」ことは、認知症の予防に効果的であるといわれています。厚生労働省研究班が発表した咀嚼と認知症の関係の調査(2010年)では、なんでもよく噛める人に比べて、ほとんど噛めない人やあまり噛めない人は認知症を発症するリスクが高いということがわかっています。
歯が健康でないときちんと噛むことはできません。インプラントは、しっかりと安定していて自分の歯のように機能する人工歯なので、なんでもよく噛むことができ、認知症の予防にも効果的です。同じ人工の歯でも、入れ歯は合わなくなってしまうこともあり、合わないまま使用しているとしっかり噛む事ができなくなってきます。一方でインプラントは一度入れると、合わなくなるということはなく、とても長く持ちます。

03 他の治療との比較
インプラントは、歯を失った場合に有効な治療方法の1つです。歯を失ってしまった時には、人工の歯を入れて、歯の機能を回復させることが必要です。部分的に歯を失ってしまった場合には、インプラント・ブリッジ・部分入れ歯といった治療方法があります。ブリッジや部分入れ歯は、隣り合う健康な歯をも失ってしまうリスクがある治療方法です。隣の歯を削ったり、留め金を引っ掛けるといった処置が必要になるため、隣り合う歯に負担がかかってしまうのです。一方でインプラント治療は、骨に人工の土台をうめて人工の歯を作るので隣接する歯に頼ることなく、失った歯の機能を回復することができます。そのため、長期的に見るとより多くの自分の歯を残すことが可能になる治療であると考えられています。
ただ、インプラントにもメリットばかりではなく、デメリットもいくつかあります。外科的な処置が必要であったり、治療期間が比較的長かったり(骨とインプラントの結合を待つ期間が必要です)します。当院では、患者様の状況やお気持ちなど、さまざまな要素を考慮した上で、選択肢の一つとしてインプラント治療を提案しています。

インプラント・ブリッジ・
部分入れ歯の比較

04 HA系インプラント
インプラントにはさまざまな種類があります。当院ではその中でも、HAインプラントと呼ばれる種類のインプラントを主に使用しています。HAインプラントは、表面にHA皮膜(骨と同じ成分であるハイドロキシアパタイトの被膜)をもっており、骨に付くのが早いといったメリットがあります。また、歯が抜けてしばらくたってしまい、歯が抜けた部分の骨が吸収されて無くなりかけている方の場合にも、新しい骨ができるのを誘導してくれるといったメリットもあります。
HA系インプラントのメリット
- 治療期間の短縮
- ハイドロキシアパタイトコーティングにより人工歯根の埋入から実際にものが噛めるまで、2ヶ月ほどの治療期間ですみます。
- 手術は1回のみ
- ほとんどのケースが1ピース1回法により1回の手術で済み、心身の負担及び手術費用が軽減されます。
HA系インプラントのデメリット
ハイドロキシアパタイトコーティングにより表面性状が粗造になり、歯垢などが繁殖しやすくなります。セルフケアと定期検診が大変重要です。
05 純チタンインプラント
インプラントの材料として使われている素材には数種類ありますが、実はそのほとんどにチタンが使用されています。チタンはインプラントにとって欠かせない素材です。インプラントの歴史はチタンから始まったと言っても過言ではありません。
チタンは強度があり人体に
優しい素材です
インプラントの多くは、純度の高いチタンを使用しています。中でもチタンが99.8%以上であるものを純チタンインプラントとよびます。チタンには非常に強度があり、腐食に強く、金属アレルギーがほとんど起こらないという特徴があります。また、インプラントにチタンが必要不可欠な理由として、骨との親和性が非常に高いという点があげられます。チタンは骨としっかりと結合して一体化するので、インプラントが骨にしっかりとくっつき安定し、噛む力をきちんと伝えられます。これは他の材質では実現できない効果です。

チタン合金で混ぜる金属にはパナジウムアルミなどがあります。純チタンは化学的にも非常に安定した金属で経年変化がおきにくいのですが、一方でチタン合金・チタンニッケル合金は、チタン以外に金属が含まれることで金属アレルギーを起こすリスクが高まります。
06 術式について
インプラントの手術には種類があります。「1回法」と「2回法」の2つの種類で、当院では主に1回法での手術を行っています。1回法では、治療期間の短縮をはかる事ができ、時間と費用の削減になるため、患者様の負担を減らすことができると考えています。
1回法手術と2回法手術の違い
「1回法」と「2回法」の由来は、歯肉を切開する回数によるものです。どちらの治療にもそれぞれメリットやデメリットがあります。ここでは2つの手術方法の違いについてご説明します。
2回法手術
歯肉を切開する手術を2回行うため「2回法手術」と呼ばれます。2回法ではまず歯肉を切開し、顎の骨に穴を開けて土台となるインプラント(人工歯根)を埋め込み、一度歯茎を閉じてインプラントと骨が結合するまで2~6ヶ月間おきます(1次手術)。数ヶ月後、インプラントが安定したら、再び歯肉を切開してインプラントの頭を出し、「アバットメント(結合部分)」をインプラントの上部に装着します(2次手術)。人工歯(被せ物)を取り付けて、治療は完了です。

1回法手術
当院で主に行っているのはこちらの1回法です。外科手術を1回しか行わないため、患者様のお体への負担が少なく、治療期間も短縮できます。1回法ではインプラントとアバットメントを一度の手術で装着します。

インプラントの構造にも種類があります
インプラントとアバットメントがあらかじめ一体になっている「1ピースインプラント」と、インプラントを手術で埋め込んだ後でアバットメントを取り付ける「2ピースインプラント」があります。
